来の旧字とは?意味から異体字・その打ち方まで全部まとめて総特集
「来」という漢字は、日常的に広く使われる基本的な文字ですが、その旧字や異体字について詳しく知る機会は少ないかもしれません。
旧字とは、現在の標準的な字体が定められる前に使われていた漢字のことで、歴史的な文書や古典などで目にすることがあります。
本記事では、「来」の旧字がどのような形をしているのか、その意味や成り立ち、さらに異体字との違いについて詳しく紹介します。
また、旧字をパソコン・スマートフォン及びラベルライターのテプラで入力する方法も紹介します。
旧字や異体字に興味がある方、漢字の歴史を知りたい方にとって、役立つ内容となっています。
どうか、最後までご一緒にご覧くださいますよう。
「来」の旧字「來」
「来」という漢字は、「ライ」という音読み、主に「く・る」「き・た」という訓読みで知られています。
「来」には、旧字の「來」があります。
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この漢字の意味は、いっぱいあるんです。主なものを挙げてみます。
- こちらに近づく
- こさせる
- これから先のこと
- ある時点から後、今まで
- これからやってくる
1.では「往(來)来」、3.では「未来(來)」、4.では「以来(來)」なんて言葉があります。
「来(來)」には「ねぎら・う」「いたわ・る」なんて訓読みもあります。
来は7画、來は8画の漢字です。
その書き順を見てください。
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旧字の「來」は、「木」の脇に「人」を2つ書いた漢字ですね。
新字体の「来」は、昔から使われていた省略形とのことです。
この「来」も「來」の部首は、今いった「木へん」なんですよ!
「来(來)」の語源
「來」は、穂が垂れて実った「麦」を描いた図形を示す象形文字です。
古代では、「來」は「くる」と「むぎ」の意味で用いられています。
ムギは中央アジアまたは地中海沿岸が原産地で、新石器時代に中国に伝播したと言われています。
国外からもたらされたものということから「くる」の意味が派生しました。
「麥」(麦の旧字)には、「来」の旧字である「來」がふくまれており、「麦」と「来」は同源の語です。
「説文解字(セツモンカイジ)」では「周の受くる所の瑞麦(めでたいムギ)は天の来たす所なり。故に行来の来となす」とあり、天(神)のもたらした(賜った)ものと神話的に解釈しています。
西北中国に定着した周の人たちは、中央アジアから小麦の種が到来してから勃興したので、神のもたらした結構な穀物だと信じて大切にしたそうです。
「くる」は空間的イメージのある言葉ですが、時間的イメージにも転用されます。
つまり、時間がこれからやってくる意味(来月、来年)、ある時点から今までの意味(従来・以来)に展開しています。
その後、「來」は「もたらす」から「やってくる」の意味となり、「來」に「夊」を加えた「麥」が神がもたらした穀物、すなわちムギの意味となりました。
来の異体字
「来」には、旧字「來」の他にいた字があります。
徠 徕 耒
左の異体字は「ぎょうにんべん」+「來」、中の異体字は「ぎょうにんべん」+「来」、右の異体字は「木」に「二」で構成されています。
上で見てきた新字の「来」は常用漢字、旧字の「來」は、人名用漢字なので子供の名づけに使えます。
ここで出てきた異体字のうち、「徕」は人名漢字なので、子供の名づけに使えますが、「徕」は、常用漢字でも、人名漢字でもないので名付けには使えません。
この異体字は、Unicodeを使って入力できます。
- 徠:5FA0
- 徕:5F95
- 耒:8012
※「カテゴリ:漢字の旧字」に収録した漢字の中で、旧字が存在するのは「会」「真」「恵」「広」です。
- 会の旧字とは?歴史や意味・異体字の打ち方まで全部まとめて総特集
- 「真」の旧字のパソコン・スマホでの打ち方は?異体字も合わせて確認
- 恵に旧字体はある!その表記の歴史からパソコン等への打ち方を総特集
- 広の旧字「廣」を知ってる?まだれに黄と書く表記の打ち方をご紹介
上記「会」「真」「恵」「広」が載っている「新・旧字対照表|立命館大学」には、「会」もありました。
さて、次の章からは、旧字「來」を様々な機器(パソコン・スマホ及びTEPRA)でどう入力するか、その打ち方を紹介します。
パソコンでの「來」の打ち方
文字変換とUnicodeによる打ち方の2つをご紹介します。
文字変換による「來」の打ち方
それでは、文字変換による「來」の打ち方を紹介します。
変換をかける文字は、新字と同じ読みの「くる」です。
手順は次の通りです。
- 「くる」入力
- 日本語で「くる」と入力します。
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- 変換候補から「來」を探す
- 変換キーを数度押すと変換候補が現れます。
「來る」がありました。
見つけたら、クリックしましょう。
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- 「來」入力完了
- 「る」を消せば「來」が入力されました。
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簡単に打てました。
「ひろ」の他に「こう」変換でも出すことができます。
Unicodeによる「來」の打ち方
Unicode4桁を打ち込んで変換をかける打ち方です。
いつも言っているんですが、手軽ですなんだけど、Unicodeを覚えるのが面倒です。
- 「來」入力
- 日本語で「4F86」と入力します。
ご覧のように「4F86」と大文字となっても気にしないでください。
F5キーを押します。
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- 変換候補から「來」を探す
- 変換候補が現れますので、目指す「來」を探します。
見つけたら、クリックしましょう。
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- 「來」入力完了
- 「來」が入力されました。
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日本語でUnicodeを入力してF5キーを押すだけです。
ここでの注意点は「日本語で」という部分!
これだけで、望む漢字を入力できます。
上述したように、Unicodeを覚えるていられませんよね!
スマホでの「來」の打ち方
スマホででも「來」を出すのに、文字変換による打ち方が出来ます。
変換をかける文字は、パソコンと同じく「くる」ですね。
- 「くる」入力
- 日本語で「くる」と入力します。
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- 変換候補をタップ
- 変換候補を表示するため、「ⅴ」をタップしましょう。
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- 変換候補から「來」を探す
- 変換候補が表示され、「來」が見つかったらクリックします。
今回は、下の方、5行目に発見しました。
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- 「來」入力完了
- 「來」が入力されました。
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以上、スマホでも問題なく「來」を表示できました。
テプラでの「來」の打ち方
ここでは、テプラ(TEPRA PRO SR300)における「來」の打ち方を紹介します。
次の2つの打ち方があります。
- 文字変換による打ち方
- JISコードを指定する打ち方
これらの打ち方を手順に従って、ご紹介します。
文字変換による打ち方
パソコン・スマホと同じく、文字変換によって「來」を表示する方法です。
入力する文字は、パソコン、スマホと同じ「くる」です。
- 「くる」入力
- 日本語で「くる」と入力します。
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- 「変換」ボタン押下
- 「変換」ボタンを押して候補を表示します。
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- 「來」で「選択」ボタン押下
- 「↓」ボタンを押していくと「來」が候補に表れますので、「選択」ボタンを押すことで表示できます。
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- 「來」入力完了
- 「來」が入力できました。
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「來」は割と簡単に出てきます。
JISコードを指定する打ち方
次は、JISコードを指定する打ち方です。
パソコンでのUnicodeを指定する打ち方と似ていますが、テプラ独自のコードを使った打ち方です。
- 「シフト」+「あ・ア」キー押下
- 「シフト」を押しながら、「あ・ア」キーを押します。
コード入力画面が表示されます。
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- 「4852」入力
- コードに「4852」を入力します。
SR300の取扱説明書から「來」を検索します。
もし、見つからない場合、そのTEPRAで「來」を入力することは出来ません!
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- 「來」押下
- 「來」が候補に表れますので、「選択」ボタンを押します。
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- 「來」入力完了
- 「來」が入力できました。
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コードさえわかっていたら、こちらの方がはるかに簡単ですね。
この難しい漢字を入力する方法を紹介した記事があります。
最後に
本記事では、「来」の旧字について詳しく紹介しました。
旧字とは、現在の標準字体が定められる前に使用されていた漢字であり、歴史的な文書や古典などで目にすることができます。
また、旧字の意味や成り立ちを知ることで、漢字がどのように形を変えてきたのかを理解する手がかりとなります。
さらに、パソコンやスマートフォン及びテプラで旧字を入力する方法も紹介しました。
旧字や異体字に興味がある方は、ぜひ実際に入力して試してみてください。
漢字の奥深い世界を楽しみながら、より豊かな知識を身につけていきましょう。
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。
参考資料
・上級漢和辞典 漢字源
・旧字源 旧漢字でわかる漢字の成り立ち
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