うるう年のうるうを漢字で書くと?予想外の表記の初めは書き間違い
「うるう年」は、4年に一度訪れる特別な年として知られていますが、「うるう」を漢字で書く機会はあまりありません。
そのため、いざ漢字で表記しようとすると、戸惑う人も多いでしょう。
実は、この言葉の正式な漢字表記には、意外な由来があり、その始まりには書き間違いのエピソードが関係しているのです。
本記事では、「うるう」の漢字表記を示し、それがどのように生まれたのかの語源を紹介します。
その語源のエピソードがどんなところにあるのかも、いくつか見ていただければと思います。
「うるう年」という何気なく使っている言葉に隠された、ちょっと驚きのエピソードを知れば、日本語の奥深さがより楽しめるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
うるう年の「うるう」を漢字で書くと?
最初に、「うるう」の漢字表記をお届けします。
閏
これが「うるう」という漢字です。
この漢字の意味をみると、トップに「うるう」があります。
一年の日数、または月数が、決まった数からはみ出て平年より多いこと
うるう年って、2月29日があって、年の日数が366日になるのですが、月数が多いって何でしょう?
我々は(陽暦で)4年に1回「うるう日」を設ける「うるう年」しか知らないですが、陰暦では、19年に7回も「閏月」があったんですって。
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昔の小説(古いですが鬼平犯科帳)などでは、「閏九月十日」みたいな表現が良く出てきます。
これが、うるう月を表しているんですね。
わかりづらいので、閏月のある年の例を出しますね。
- 1月、2月、……7月、8月、閏8月、9月……、11月、12月
この年は、上記のように8月にうるう月があるため、1年は13ヶ月になるのです。
「閏」の成り立ち
「閏」の異体字に「閠」で、「門」+「玉」で構成されています。
これは、門の内(家の中)に宝石があるがたっぷりある情景であり、ここから「余分にはみ出る」「(はみでんばかりに)余る」というイメージを作り出しました。
ここから、「閏」は陰暦で平年の12カ月を調整するために設けた余分の月を言うのです。
同源語に「潤」があります。
この「閏」という漢字に対して、いくつかのサイトで「うるう月に王様が門から出ず、政務を行わない中国の習わしが由来」とありますが、上記の成り立ち(「門」+「玉」)から考えると眉唾です!
参考:上級漢和辞典 漢字源
なぜ「閏」なのか?
ネットや書籍に当たったのですが、この「閏」という漢字は、「潤」と間違えたという説が出ています。
この点、裏が取れるのか否かを見ていったんですが、その確固たる証拠は見つけられませんでした。
漢字源にも当たりましたが、上記の「閏」、そして以下にある「潤」をみても、同源語だということ以外は明確になりませんでした。
ただ、いくつかの書籍にも残るようなので、あながち間違いとも言えない情報かと考えます。
いくつかの情報を見てください。
もともとこの漢字には「うるう」の読みはなかった。信じ難いのだが、この「閏」を「潤」と間違えて、「潤」の読みである「うるう」を当てたと考えられている。
バラ肉のバラって何?
「閏」を「ウルウ」と読むのは、同じくジュンと読む「潤」の訓を当てたモノといわれる
新明解語源辞典
書籍とXから引っ張ってきましたが、それぞれ同じように、「潤」に当てはめたとあります。
漢字「潤」
ここで、「潤」という漢字を見ていきます。
音読みで「ジュン」、訓読みで「うるお・う」「うるお・す」「うるお・い」と読み、水が染み出すさまを表しています。
その字源をみると、「潤」=「閏」+「水」で構成される漢字です。
「閏」は、上述した『「閏」の成り立ち』にある「余る」という意があります。
ここから「潤」は水分が有り余るほどにたっぷりある状況を示します。
これも『「閏」の成り立ち』でも言ったように、「閏」「潤」は同源語です。
源は同じだったんですな。
うるう年とは
うるう年(閏年)とは、通常の年よりも1日多い年のことを指します。
通常の1年は365日ですが、うるう年は366日あります。
これは、地球が太陽の周りを回るのにかかる時間(約365.2422日)と、カレンダーの1年(365日)のズレを調整するために設けられています。
うるう年のルール
西暦年が以下の条件を満たすと、うるう年になります。
- 4で割り切れる年はうるう年
- 100で割り切れる年はうるう年ではない
- 400で割り切れる年は例外としてうるう年になる
具体的な例を見ていきましょう。
- 1.に該当し、2.、3.の条件に合致しない年:2024年、2028年、2032年などは「うるう年」です。
- 1.2.の条件に合致し、3.に合致しない年:1900年、2100年、2200年などは「うるう年」ではありません。
- 1.2.3.の条件に合致する年:1600年、2000年、2400年 などは「うるう年」です。
このうるう年に関して記事を書いていますので、もっと知りたい方はご覧になってください。
うるう日が誕生日の人の年の取り方は
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さて、上記のルールで1日が追加となる、うるう年ですが、当然、その追加された日に誕生する方がおられます。
すると、次回の誕生日は何と4年後となってしまい、普通の人と比べると年の取り方が1/4になっちゃいます。
エエエエ、そりゃ大変だ!誕生祝いも1/4しかもらえない……!。
そんな心配を払しょくする記事がこちらです。是非、ご覧ください。
⇒ うるう年の誕生日ってどうする?特別な日2月29日を詳しくご紹介
※「雑談の部屋」の最新記事のため次の記事はないので、トップの記事を挙げておきます。
※「雑談の部屋」の一つ前の記事です。
最後に
本記事では、「うるう」の漢字表記について、その由来や歴史的背景を解説しました。
「閏」という漢字は、本来「余分」「余った時間」を意味し、そこから「閏年」として特別な年を表すようになりました。
しかし、その表記の始まりには書き間違いや異なる表記の使用が関係しており、言葉の定着にはさまざまな経緯があったことが分かります。
普段何気なく使っている言葉にも、思いがけない由来が隠されていることがよく分かるエピソードでした。
これを機に、ほかの言葉の由来にも目を向けてみると、新たな発見があるかもしれません。
※「雑談の部屋」の記事はすごい大所帯です!
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