「空」の部首は何か知ってる?実は「うかんむり」ではありませんよ
「空」という漢字の部首は何かと聞かれたら、多くの人が「うかんむり」と答えるかもしれません。
確かに、見た目だけで判断すると、そのように思えるのも無理はないでしょう。
しかし、実は「空」の部首は「うかんむり」ではないのです。
この事実を知ると、漢字の成り立ちや仕組みに興味が湧いてきませんか?
私たちは普段、何気なく漢字を使っていますが、意外と部首を正しく理解していないこともあります。
「空」の部首をきっかけに、漢字の奥深い世界を少しのぞいてみましょう。
本記事では、「空」の本当の部首を紹介しつつ、その理由や成り立ちについて詳しく探っていきます。
漢字にまつわる意外な発見を、一緒に楽しんでみませんか?
「空」の部首は何か?
この「空」ですが、実は、小学2年生で学ぶ漢字なんですが、部首を間違える人が多いようです。
一見、うかんむりにみえる「空」の部首ですが何なのでしょうか?
「空」の部首は「あなかんむり」です!
この部首は、漢字源では「穴部」に収められており、「あな・あなかんむり」に含まれます。
この部首である「穴」は、ほらあなを表しています。
当然、「穴」を含む漢字や、あなの種類や状態に関する漢字が集められているわけです。
冠になる時、今回の答えである「あなかんむり」になります。
ただ、この「穴部」に収められている漢字を調べたんですけど、「穴」という漢字以外は全て「あなかんむり」でした!
何で「空」は「あなかんむり」
この「空」という漢字が、なぜ、あなの種類や状態に関する漢字が集められている「あなかんむり」に入っているのでしょうか?
「空」の基本情報
まずは、「空」の基本情報を見ておきましょう。
画数 | 8画 |
音読み | クウ |
音読み | むな・しい、そら |
主な意味 | ①穴が開いている ②何もない。からっぽ ③おおぞら ④突き抜けた穴 ⑤うつろ |
意味がたくさんありますが、それぞれの意の言葉を挙げておきます。
①中空②空虚③航空⑤空白
常用漢字表では、「クウ、そら、あ・く、から」の4つですが、上記にあるように、「むな・しい」という読みがあります。
「空」には、他にも読みがたくさんあります。
日本の訓読み
日本の訓読みでは、次のような読みがあります。
読み | 漢字 | 他の表記 | 意味 |
---|---|---|---|
あ・き | 空き | 明き | すきま。ひま。 |
あだ | 空 | 徒 | はかないこと |
あだ・し | 空し | 徒し | 空しい。実がない |
うつ | 空 | 虚 | 「うつろ」の意 |
うつお | 空 | 虚 | - |
うつ・ | け) | 空け | 虚け |
うつ・ける | 空ける | 虚ける | 気が抜けてぼんやりする |
うつほ | 空 | - | ⇒うつおウツホラ |
うつ・ろ | 空ろ | 洞ろ・虚ろ | 心がむなしいさま |
うろ | 空 | 虚・洞 | うつろな所。ほらあな |
す・かす | 空かす | 透かす | モノを通して、その向こうのものを見る |
す・く | 空く | 透く | すき間ができる |
上記のように、「空」には、いろいろな読み方がありました。
「はかない」「むなしい」「うつけ」「ぼんやり」等、ネガティブな意味が並んでします。
他の表記をみても、「虚無(きょむ):何も存せず、むなしいこと」の「虚」が多数を占めていますね。
「空」の成り立ち
空という漢字は、次のように構成されています。
空=「工(突き抜ける)」+「穴」
ここから、「空」は「穴が突き抜けている情景」を示しています。
ある空間を突き抜けると穴があき、その中は空っぽになります。
- 後の軌跡
- ここから、突き抜けた後の軌跡は何もない空間だから②「空っぽ」の意味が実現しました。
- 途中
- 突き抜けた途中は何もないので④「穴」の意味を派生します。
- 何もない空間
- また、何もない空間は③「そら」になります。
- 物事を空間化
- 物事を空間化させて、ある範囲に何かが欠落しているという意味(①)、中身・実質がない意味(⑤)も表します。
ここまで見てくると、「空」には、中身がない「穴」と共通した意味がありますよね。
そこから、「空」の部首は「あなかんむり」になったのでしょう。
※漢字に注目して部首の記事を書いたのは「情」がありました。
⇒ 情の部首の意味とは?同時に情の読み方から意味・成立ちまでを総特集
「あなかんむり」の漢字一覧
「あなかんむり」の常用漢字及び人名用漢字の一覧を見ておきましょう。
画数 | 漢字 |
---|---|
5画 | 穴(常用漢字) |
7画 | 究(常用漢字) |
8画 | 空(常用漢字) 突(常用漢字) 穹(人名用漢字) |
9画 | 窃(常用漢字) 穿(人名用漢字) 突(人名用漢字) |
10画 | 窄(人名用漢字) |
11画 | 窓(常用漢字) 窒(常用漢字) |
13画 | 窟(常用漢字) |
14画 | 窪(人名用漢字) |
15画 | 窮(常用漢字) 窯(常用漢字) |
16画 | 窺(人名用漢字) |
今回、題材とした「空」を含めて、16の漢字がありました。
「突(環境依存文字:「あなかんむり」に犬)」以外の漢字は、皆様、一度はお目にしているかと思います。
それぞれの漢字の音訓読みの主な意味を挙げておきます。
漢字 | 音読み | 訓読み | 主な意味 |
---|---|---|---|
穴 | ケツ | あな | あな。くぼみ。へこみ |
究 | キュウ | きわ・める | きわめる。きわまる |
空 | クウ | そらetc. | 上記参照 |
突 | トツ | つ・く | つく。つきあたる |
穹 | キュウ | おおぞらetc. | そら。大空。天 |
窃 | セツ | ぬす・むetc. | ぬすむ。こっそり取る |
穿 | セン | うが・つetc. | うがつ。ほる |
突 | トツ | つ・く | 「突」の旧字 |
窄 | サク | すぼ・むstc. | せまい。窮屈な |
窓 | ソウ | まど | まど。あかりとり |
窒 | チツ | ふさ・がる | ふさぐ。ふさがる |
窟 | クツ | いわやetc. | いわや。あな |
窪 | ア、ワ | くぼ | くぼ。くぼみ。くぼむ |
窮 | キュウ | きわ・まる | きわまる。行き詰まる |
窯 | ヨウ | かま | かま。かまど |
窺 | キ | うかが・う | うかがう。のぞく |
最後に
「空」という漢字の部首は「うかんむり」だと思われがちですが、実は誤りで、本当の部首は「あなかんむり」です。
漢字の部首は、その成り立ちや意味を知る手がかりになります。
本記事では、「空」の正しい部首やその由来について詳しく紹介しました。
漢字の成り立ちを知ることで、より深く日本語を理解することができます。
ぜひ、身近な漢字の部首にも注目してみてください。
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