「雅」という名前は良くない?10もある誤解を徹底的に解き明かす

「雅」という漢字の名前について「良くない」と言われることがあります。
しかし、それは本当に正しいのでしょうか?

「意味が華やかすぎる」「古風すぎる」「男女どちらにも使われる」など、さまざまな理由が挙げられますが、それらは本当に名前としてのデメリットなのでしょうか?

実は、多くの指摘は誤解や偏見に基づくものであり、「雅」はむしろ気品や美しさを象徴する素晴らしい名前です。

この記事では、「雅」という名前が良くないと言われる10の理由を一つずつ取り上げ、それぞれに対する反論を徹底的に解き明かしていきます。

名前はその人の個性や人生に影響を与える大切なものです。
誤った先入観にとらわれることなく、「雅」という名前の本当の魅力を再発見してみましょう。

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「雅」という漢字の意味と由来

最初に、「雅」の基本情報を見てみましょう。

画数13画
音読みア、ガ
訓読みみやび
主な意味音読み:ア 鳥の名。カラス科の野鳥。からす
音読み:ガ ①形がきちんとして正しい。正統の。都めいた
②都めいた上品な音楽や歌
③上品で由緒正しいことば
④平素から使い慣れているさま
⑤もと・より
名付けただ、ただし、つね、なり、のり、ひとし、まさ、まさし、まさり、まさる、みやび、もと

「雅」の音読みは「ガ」のみと思っていたのですが、「ア」という読みがあり「からす」を指しているとは思いませんでした。

※カラスに関しては、こんな記事がありますよ!

訓読み「みやび」にあるように、「雅」は、上品さや優雅さを象徴する漢字です。

本来は「都会的で洗練された」「趣があって美しい」といった意味を持ち、古くから文学や芸術の分野で用いられてきました。

この漢字は、日本の文化に深く根付いており、「雅楽(ががく)」や「風雅(ふうが)」など、伝統や美意識を表す言葉にも使われています。

また、書道や茶道の世界では「雅号(がごう)」として、特別な名前に用いられることもあります。

漢字の成り立ち

ここでは、雅の字源をみていきます。

雅=牙(^形をなす)」+「隹(とり)」

カラスの画像

「牙」は「^」の形をしており、「ギザギザ」(>>>>)や「かみ合う・食い違う・交差する}(><><)イメージになります。

ハシブトガラスやハシボソガラスは、くちばしが大きく、上下のくちばしが><の形にかみ合っていることから、「雅」は「からす」を表していたのです。

雅のイメージの画像

一方、>>や><の形は、「角がある」「きちんとしている」というイメージがあります。
このイメージが「形がきちんとして正しい」というイメージに転化しました。

そこから、雅は「正しい」「上品で美しい」という意味に使われたのです。

後に、カラスの意味は「鴉」と書かれ、「雅」は専ら「正しい」「雅やか」の意味となりました

名前に使われる「雅」の印象

「雅」という漢字は、上述したように、上品さや落ち着きを感じさせるため、気品のある名前として人気があります。

名前に使われる際には、「雅子(まさこ)」や「雅人(まさと)」など、気品ある印象を与えることが多いです。男女ともに使用される点も特徴的です。

また、男女問わず使われる点も特徴です。

伝統的な響きを持ちながらも、洗練された印象を与えるため、幅広い世代に受け入れられています。

一方で、「優雅すぎる」「格式ばったイメージがある」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、それはむしろ強みでもあります。
落ち着きや知性を感じさせる名前は、人生のさまざまな場面で良い印象を与えることが多いでしょう。

「雅」は、気品と品格を感じさせる素晴らしい漢字であり、時代を超えて多くの人に愛されています。


雅が名前に良くないという理由と反論

雅という漢字を名前に使うことに対して良くないという意見も存在します。
どんな漢字にも、そういう意見は存在しますが、その理由は妥当なのかをみていきましょう。

ここでは、10の名前に良くない意見を一覧として挙げ、60爺の寸評を添えましょう。

雅が名前に良くない理由理由に対する60爺の寸評
1意味が華やかすぎる気品のある名前はむしろ魅力的
2古風すぎる印象画数は姓名全体のバランスで考えるべき
3男女どちらにも使われる古風な名前はむしろ時代を超えて愛される
4「優雅でないといけない」プレッシャーを与えるユニセックスな名前は現代的で魅力的
5「雅」=「遊び人」のイメージがある良い意味の名前は人格形成に良い影響を与える
6中国では「俗っぽい」意味がある本来の意味とは関係ない偏見
7特定の宗教・思想と結びつくことがある日本では関係ない
8「雅」だけだと意味がぼやける文化的な背景はむしろ魅力
9「ガ」と読むと響きが強すぎる印象にシンプルだからこそ魅力がある
10姓名判断で凶とされることがある力強さと品の良さのバランスが取れている

意味が華やかすぎる

「雅」は高貴で優雅な意味を持つため、名前にすると気品がありすぎて、逆に子どもには荷が重いと考えられることがあります。

上品で優雅な印象を持つことは、むしろポジティブな要素です。
名前が持つイメージに引っ張られることで、自然と品のある振る舞いを身につけることもできます。

また、「雅楽」や「風雅」といった言葉からも分かるように、華やかでありながら落ち着きや知性も含まれた漢字です。

華やかすぎることを懸念するより、上品で美しい印象を持つ名前として誇りを持つべきでしょう。

古風すぎる印象

「雅」は古風すぎるから名前に良くないという意見もありますが、むしろ、古風な名前は時代を超えて愛される魅力があります。

伝統的な響きを持つ名前は、気品や落ち着きを感じさせ、上品な印象を与えます。

また、最近では「古風で美しい名前」が再評価されており、「雅」を使った名前も新鮮な印象を与えることができます。

流行に左右されない普遍的な美しさを持つ「雅」は、むしろ時代を問わず魅力的な名前と言えるでしょう。

男女どちらにも使われる

「雅」は男女どちらにも使われるから良くないという意見がありますが、むしろユニセックスな名前は現代において魅力的です。

現代ではジェンダーレスな名前が増えており、「雅」もその一つです。

性別にとらわれずに使える名前は、柔軟で多様性を尊重する時代にふさわしいものです。

「雅子」「雅美」など女性らしい名前や、「雅人」「雅貴」など男性的な名前にもできるため、組み合わせ次第で性別に合った印象を持たせることも可能です。

性別を問わず気品や知性を感じさせる「雅」は、むしろ優れた名前の一つです。

「優雅でないといけない」プレッシャーを与える

「雅」は「優雅でないといけない」というプレッシャーを与えるから良くない、という意見もありますが、名前の意味は本人の個性を縛るものではありません。

むしろ、「雅」の持つ上品さや美しさは、前向きな影響を与え、自信や品格を育む助けとなることもあります。

また、名前の印象は周囲の捉え方や本人の生き方によって変わるものです。

「雅」=「遊び人」のイメージがある

「雅」には遊び人のイメージがあるから名前に良くない、という意見もありますが、これは一部の歴史的な背景に基づく偏った見方です。

本来、「雅」は「上品」「風流」「洗練された美しさ」などの意味を持ち、決して軽薄なものではありません。

確かに、昔の文化の中で「雅」を好んだ芸術家や遊びを楽しむ人々がいましたが、それは教養や感性の高さを示すものであり、単なる「遊び人」とは異なります。

また、現代では「雅楽」や「風雅」といった言葉に見られるように、伝統や品格を象徴する意味合いが強いです。

名前としての「雅」は、知性や美意識を大切にする素晴らしい選択肢の一つであり、遊び人のイメージだけを理由に避ける必要はありません。

中国では「俗っぽい」意味がある

「雅」は中国では「俗っぽい」意味があるから名前に良くないという意見がありますが、日本における意味とは異なるため、気にする必要はありません。

確かに中国では「雅俗」のように「雅」が俗っぽいものと対比されることもありますが、これは「雅」が本来「上品で格式高い」という意味を持つからこそ生じる表現です。

むしろ、日本では伝統や品格を象徴する言葉に使われており、肯定的な印象が強いです。

また、言葉の意味は国や文化によって変わるため、中国での解釈をそのまま日本の名前に適用するのは適切ではありません。

特定の宗教・思想と結びつくことがある

「雅楽(ががく)」や「雅号(がごう)」など、伝統文化や特定の宗教・思想と関連が深く、それを好まない人には敬遠される場合があります。
「雅楽」や「雅号」など、伝統文化と関連があるのはむしろ誇るべきことです。
深みのある名前は、文化を大切にする日本社会において高く評価されることが多いです。

「雅」は特定の宗教・思想と結びつくことがあるから名前に良くない、という意見がありますが、これは過度な懸念です。

また、「雅楽」や「風雅」など、日本の伝統文化にも根付いた言葉であり、特定の宗教や思想に限定されるものではありません。

そもそも多くの漢字は宗教や哲学の影響を受けており、「雅」だけを特別視するのは不合理です。

名前は個人のアイデンティティを表すものであり、他者の思想と結びつけて制限する必要はありません。

「雅」だけだと意味がぼやける

「雅」だけだと意味がぼやけるから名前に良くないという意見がありますが、実際には「雅」一文字の持つ美しさや深さが、逆に強い個性を引き立てます。

「雅」は上品さ、優雅さ、知性といった豊かな意味を持ち、シンプルでありながら奥行きのある名前です。

また、「雅」は他の漢字との組み合わせ次第で、意味がさらに明確になります。

例えば、「雅子」「雅人」など、響きや意味を補完し合うことで、より一層魅力的で個性的な名前になります。

一文字だけで意味がぼやけるという考えは誤解であり、むしろシンプルだからこそ、深みのある印象を与えることができます。

「ガ」と読むと響きが強すぎる印象に

「雅」は音読みで「ガ」と読む場合もあり、「が行」の発音が強いため、響きがきつく感じられることがあるかもしれません。

「強すぎる」かどうかは主観的な問題であり、響きの美しさをどう活かすかが大切です。

これは一概にデメリットとは言えません。
確かに「ガ行」の発音は力強さを感じさせますが、それは個性や印象の深さにつながる要素でもあります。

また、「ガ」の音が入ることで覚えやすく、インパクトのある名前になるのも利点です。

響きにメリハリがあることで記憶に残りやすい名前になります。

姓名判断で凶とされることがある

姓名判断で「雅」が凶とされることがあるため、名前に良くないという意見がありますが、これは必ずしも正しいとは言えません。

姓名判断は流派によって解釈が異なり、一つの見方に過ぎません。

また、名前の吉凶は漢字単体ではなく、苗字との組み合わせで決まります。

「雅」を使った名前でも、全体の画数が良ければ吉となる場合も多いのです。

さらに、人生の成功や幸福は名前だけで決まるものではなく、本人の努力や環境が大きく影響します。

姓名判断にこだわりすぎず、意味や響きを大切にすることが重要です。

以上見てきたように、ネガティブな意見もありますが、偏った見方からそうなったことが分かったと思います。
「雅」は品があり、時代を超えて愛される美しい名前です。

※「名前 良くない」で複数の記事を書いています。いくつかを紹介します。

「雅」を名前に付けよう

「雅」を名前に付けようという選択は、上品さと気品を持つ素晴らしい決断です。

この漢字は、優雅さや美しさを象徴し、時代を超えて愛されてきた名前です。
シンプルでありながら深みのある意味を持ち、個性を引き立てます。

また、男女問わず使用でき、さまざまな名前の組み合わせに対応可能です。

名付けについて

「雅」という漢字は、優雅さや品位、洗練された美しさを象徴しています。

そのため、名前に使うことで、上品で落ち着いた印象を与えることができます。

特に、芸術や文化に敏感な家庭や、知的で品格ある人を育てたいという思いを込めた名付けにはぴったりです。

また、「雅」は男女問わず使用可能なため、柔軟に名前の組み合わせを楽しむことができます。

例えば、女性の場合「雅子」や「雅美」、男性の場合「雅人」や「雅貴」など、親の思いを込めた個性豊かな名前を作ることができます。

「雅」を使った名付けは、伝統と現代性を兼ね備えた名前で、どんな時代においても美しさと知性を表現する力があります。

名前はその人の人生に大きな影響を与えるもの。
未来に向けて素晴らしい意味を持つ名前として、「雅」は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

たまひよの「赤ちゃんの名前ランキング」を見ると、男の子で「大雅(たいが)」が過去にベスト100位にランキングしています。

西暦男の子
大雅(たいが)
2022年38位
2021年86位
2020年69位

雅を使った名前(赤ちゃんの名前ランキング)|たまひよ

名前に「雅」のある有名人

名前に「雅」のある有名人です。

有名人読み職業
相葉雅紀アイバマサキアイドル
堺雅人サカイマサト俳優
鈴木雅之スズキマサユキ歌手
トミーズ雅トミーズ マサ芸人
浜田雅功ハマダマサトシ芸人
久本雅美ヒサモトマサミ芸人
雅子さまマサコさま皇后
雅-MIYAVI-ミヤビアーティスト

おおお、60爺は古い人間ですが、知っている顔ぶれが並びました。

業界でも、有名な人が多くいますね。

やはり、「雅」はいい文字なのでしょう。

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最後に

「雅」という漢字を使った名前が良くないと言われる理由を見てきましたが、その多くは誤解や偏った見方に基づくものでした。

古風すぎるとか、男女どちらにも使えとか、姓名判断の画数についても、偏った美香であることが分かりました。

実際には、「雅」は上品さや美しさを象徴し、時代を超えて愛される魅力的な名前です。

大切なのは、名前の持つ本来の意味や響きをポジティブに捉えることです。
誤解に惑わされず、「雅」という漢字の素晴らしさを自信を持って受け入れましょう。

※気づけば「この漢字は名前に良くないのか」の記事も増えてきました

参考
上級漢和辞典 漢字源

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら