狸穴とは?その読み方・意味・由来・別れても好きな人の歌詞等総特集
「狸穴」という言葉を見かけたことはありますか?
初めて目にすると「たぬきあな?」と読んでしまうかもしれませんが、この読み方は正解ではありません。
読み方もそうなんですが、どんな意味があって、どうしてこういう名前になったのかも気になります。
実は、この言葉は日本の各地にいくつかあるんですよ、そして、昭和の名曲にも登場するという意外な面もあります。
本記事では、その読み方や意味、そして、由来・「別れても好きな人」の歌詞について全部まとめて詳しく特集します。
知られざる「狸穴」の魅力を、一緒に紐解いていきましょう!
是非、ご一緒に最後までお付き合いください。
狸穴の読み方と意味・由来
「狸穴」という言葉を見たとき、どのように読むのか戸惑う人も多いでしょう。
一見すると「たぬきあな」と読んでしまいそうですが、正しい読み方は「まみあな」です。
※漢字自体は簡単でも読み方の難しい漢字は多々あります。
この言葉は地名としての意味しかないようで、広辞苑等国語辞典には載っておりません。
日本にある地名をいくつか取出してきました。
まずは、港区の「麻布狸穴町」です。
地名の起こりは、長い坂下に雌狸の棲む大きな洞穴があったとされています。
1962年(昭和37年)以降、住居表示に関する法律が成立し、港区においても新たな街画が設定され、それまでの歴史ある町名が次々と消滅しました。
なんと、1978年(昭和53年)には、実に97.4%の町名が変更されてしまったのです。
その中でも、「麻布狸穴町」と「麻布永坂町」は、この町の住民であった世界経済調査会理事長・木内信胤と脚本家・松山善三の尽力によって生きながらえたのです。
ここで木内信胤の言った「歴史的にも古く、価値のある町名はきちんと後世まで残すべき」という心情が現代まで存続しているのです。

次に、「狸穴坂」があります。
ここは、上記「麻布狸穴町」にあり、港区麻布狸穴町と麻布台二丁目の境界を、外苑東通りのロシア大使館の西脇から南に下っている長い坂です。
茨城県にも「狸穴」という地名があります。
つくばみらい市にあるんですね。
狸穴の名称由来
「狸穴」という名称の由来には諸説あります。
- 猯(まみ:アナグマやタヌキのこと)が棲む穴「猯穴」があったから
- 魔魅(まみ:人をたぶらかす魔物の類)が住むような土地だから
- 間府(まぶ:鉱石を取るために掘った横穴、坑道)から
トップの説に信ぴょう性があるようです。
猯という字が、いつしか狸に変わったようです。
この「まみ」には、現在の「狸」の他、上述の「猯」「魔魅」「雌狸」が当てられることもあったようです。
上述したように、東京都港区には「狸穴(まみあな)町」という地名があり、また、狸穴坂も現存しています。
なお、江戸時代、この周辺には武家屋敷が多く存在し、幕府に仕えた要人の居住地としても知られていました。
「別れても好きな人」の歌詞に狸穴があった
昭和の名曲に「別れても好きな人」という歌がありました。
作詞・作曲は佐々木勉で、1980年(昭和55年)に大ヒットした曲です。
歌ったのは、ロス・インディオス&シルヴィアです。
調べて知ったのですが、この曲のレコードは複数の歌手によって歌われています。
1969年(昭和44年)6月に松平ケメ子、同年11月にパープル・シャドウズ、1975年(昭和50年)10月ロス・インディオスと歌い継がれました。
そして、1979年(昭和54年)9月ロス・インディオス&シルヴィアが歌い、上述のように、翌1980年になって大ヒットしミリオン・セラーとなったんです。
この曲の歌詞の中に「狸穴」が出てくるんです。
……歩きたいのよ狸穴。明かりが揺れてるタワー……という部分で地名の「狸穴」が出てきます。
狸穴は東京タワーに近いので現実に即していたんですね。
ですが、このミリオンセラーの際、「狸穴」が「高輪」に変更されちゃったんですよ!(あと、青山も原宿に変わりました)
多分、高輪の方が「おしゃれ」だという理由なんですけど、高輪から東京タワーは良く見えないんですよね。
ですから、新しい歌詞に従って散歩しようとして断念したなんて声も上がりました。
原宿、赤坂、高輪、乃木坂とさまよう様子が描かれます。歌詞に登場する地名の通りにウォーキング計画を立て、断念した人がいます。
「別れても好きな人」都内を歌詞の通りに歩こうとして断念、元カップルは健脚すぎると話題 昭和歌謡デュエットの名曲
こちらは、旧の歌詞を知らない方ですね。
狸穴と青山だったら、距離は縮まったと思うんですけど。
※昭和の大ヒットというと、昭和の名残で記事を書いたことを思い出しました。
⇒ 昔の言い方を一覧にしてみた!60爺は知っている昭和の名残
最後に
「狸穴」という言葉は、一見「たぬきあな」と読んでしまいそうですが、正しくは「まみあな」と読みます。
その由来複数ありますが、『猯(まみ:アナグマやタヌキのこと)が棲む穴「猯穴」があったから』という説が信ぴょう性がありそうです。
東京都港区の「狸穴町」は、江戸時代からの歴史を持つ地名として知られています。
さらに、この言葉は昭和の名曲「別れても好きな人」の歌詞にも登場し、多くの人に親しまれています。
「狸穴」は地名としてだけでなく、歴史や文化、音楽にまで広がる奥深い言葉なのです。
※気づけば「言い方・呼び方・読み方」の漢字の記事も増えてきました
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