セピア色のセピアとは?その意味・由来がレトロな印象とかみ合うか
「セピア色」という言葉はノスタルジックな雰囲気を醸し出します。
この「セピア色」、古びた写真やレトロな風景を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、なぜ「セピア色」がそんな印象を与えるのでしょうか?
そもそも「セピア」とは何なのか、その言葉の背景を深く考えたことはありますか?
何気なく使われるこの表現には、意外な歴史や由来が隠れています。
本記事では、「セピア色」の持つ独特な雰囲気と、その言葉が生まれた背景をひも解いていきます。
その答えには、レトロでロマンチックなイメージとは少し、かけ離れているような・・・。
どうか、最後までお読みになってセピア色のイメージがどうなるかご確認ください。
セピア色のセピアとは
まず、複数のサイトの示す「セピア色」を見てください。
#6B4A2B RGB(107, 74, 43)
参考:セピア|ウィキペディア
#6F4E27 RGB(111, 78, 39)
#622d18 RGB(98, 45, 24)
#483C2C RGB(72, 60, 44)
参考:セピア色DEDIGN館
#483C2C RGB(72, 60, 44)
#4A3B2A RGB(74, 59, 42)
#40000 RGB(64, 00, 00)
#401A1A RGB(64, 26, 26)
#6B4A2B RGB(107, 74, 43)
#483C2C RGB(72, 60, 44)
セピア色は、JIS色彩規格に規定されている慣用色名のひとつです。
その定義は、「ごく暗い赤みの黄色」です。
ただ、こうしてみると、同じセピア色でも、サイトごとに大きく違っていますね。
ベースは茶色でも、赤っぽかったり、黒っぽかったりしています。
JIS色彩企画で規定されているのに、こんだけずれていてもいいんですかね?
と思って色々見ていたら、こんな記述を見つけました!
「JIS Z 8102:2001」という規格があります。この規格は,「物体色の色名」として慣用色名と系統色名を示し,色名の属する範囲を規格化したものです。印刷見本用のカラーチャートのように厳密な数値に基づく狭義の色名ではなく,人それぞれの色名に対するイメージを包摂するものという点で注目すべきものです。
JIS規格・物体色の色名とRGB数値についての覚書
・・・
いずれも色のイメージが表わす範囲に含まれていると思います。どれが自分のイメージに近いかというだけです。
「JIS Z 8102:2001」という規格で色名の属する範囲が規格化されています。
この中で、厳密な数値に基づく色名でなく、「物体色の色名」として慣用色名と系統色名を示し、人それぞれの色名に対するイメージを包摂したのです。
ですから、上記のように、セピア色というイメージが表す複数の色が出てくるということに繋がります。
セピアの意味と由来
まず、辞書を紐解いてみました。
始めに、ジーニアス英和辞典を引いてみました。
sepia
ジーニアス英和辞典
①セピア《イカの墨から作る暗褐色のインク・絵具》:セピア色
②セピア色の絵「写真」
次は、現代カタカナ語辞典です。
有機性顔料の一種。水彩画などに使用する。黒褐色。転じて保存が悪く変色した映画フィルム
現代カタカナ語辞典
広辞苑ではどうでしょう。
①有機性顔料の一種。イカの墨汁嚢中の黒褐色の液を乾かしてアルカリ液に溶解し、希塩酸で沈殿させて製する。水彩画に用いる
広辞苑
②黒褐色
他の国語辞典にも目を通してみましたが、広辞苑にあるように、セピア(sepia)は、有機性顔料や、上記で見てきた「暗(黒)褐色」を指すようです。
英和辞典、カタカナ語辞典では、変色した映画フィルムや写真も含まれています。
このセピア(sepia)ですが、古代ギリシャ語のσηπία(sēpia、コウイカの意)が語源だそうです。
このイカ墨をベースにした顔料は、インクや水彩絵の具として、なんと、古代ローマ時代から使用されてきたんですって。
色自体は、半透明の黒ですが、日光に当ると、すぐに色褪せて暗い褐色色となります。
どちらにしても、セピアは、もともとは「甲イカ」のことでした。
このイカの墨を使った顔料で書いた絵や文字が時間の経過によってあせた状態がセピア色なんですね!
ということは、レトロでもロマンチックでもないということになりますな!
※カテゴリ「言葉の意味」の記事群を一覧にまとめた記事を新たに作成しました。
ここからは、「セピア」にまつわる豆知識を2つ、ご紹介します。
松田聖子の15枚目のシングル『瞳はダイアモンド/蒼いフォトグラフ』に入っています。
この歌詞の中で「写真はセピア色に褪せる日が来ても」とあります。
「イカ墨の性質を知った悪い人が、茶色の借用書にイカ墨で文字を書き、借りたお金をだまし取ったことから、イカ墨が転じてイカサマになった」という説がありますが、どうやら眉唾のようです。
最後に
「セピア色」は、単なる色の名前ではなく、歴史や文化と深く結びついた言葉です。
その由来は、イカ墨を原料とした古いインク「セピアインク」にあり、19世紀の写真技術にも影響を与えました。
そのため、セピア色の写真は時を経たノスタルジックな雰囲気を持ち、レトロな印象を強める要因となっています。
現代では、写真やデザインの表現手法として使われるだけでなく、懐かしさや温かみを感じさせる象徴的な色として親しまれています。
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