月へんに龍で朧!読み方から意味・名前に使えない理由まで総特集
「月へんに龍」と書いて何と読むのか、そしてどんな意味を持つのか・・・・・・。
今までに、この漢字を目にしたことがある方は少ないかもしれません。
幻想的で神秘的な印象を与えるこの漢字ですが、実は、日本では名前として使うことができません。
その理由とは何なのでしょうか?
この記事では、この難読漢字の読み方や意味、その由来について紹介するとともに、なぜ朧が名前に使用できないのか、その理由についてもみていきます。
合わせて、この「朧」のついた名字が存在するのかを確認していきましょう。
このちょっと変わった「月へんに龍」の「朧」という漢字について、ご一緒にご覧ください。
月へんに龍で朧!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、朧の意味と読み方を明確にしましょう。
朧
画数 | 20画 |
音読み | ロウ |
訓読み | おぼろ |
意味 | 月の光がぼんやりとかすんでいるさま 霧や水気でぼんやりとぼやけて見える月 |
日本語だけの意味 | 春の夜、うす霞でぼんやりとかすんでいること |
画数は、なんと20画もあります。
音読みは「ロウ」、訓読みには「おぼろ」があります。
意味は、ご覧のように、「月の光がぼんやりとかすんでいるさま。霧や水気でぼんやりとぼやけて見える月」のことです。
ぼんやりとかすんだ春の月を「朧月(おぼろづき)」と言います。
「菜の花畑にかすみ薄れ・・・・・・」で始まる「朧月夜」(おぼろつきよ)という歌を小学校で学んだことを思い出します。
なお、この漢字には「月へんに竜」という異体字がありますが、漢字源をみても、Unicodeが載っていません。
次は、書き順を見てみましょう。

20画ありますが、「月」と「龍」を順に書けばいいです。
「龍」は難しそうですが、「立」と「月」を書いて、右側の字は書き順に従えば、それほどでもないでしょう。
もっと詳しく知ろう!朧の漢字としての成り立ち
「朧」は次のような構成です。
朧=「龍」+「月」
「龍」は、「得体が知れない、よく見えない」という意があります。
ここから、「朧」は、「月がとりとめなくかすんで見えること」を指しています。
「おぼろ」の「おぼ」は、以下の語にある「おぼ」と同じ語幹と考えられています。
- おぼおぼし:あたりがぼうっとしている
- おぼめく:はっきりしない状態になる
- おぼつかなし
「おぼろ」の「ろ」は、状態を示す接尾語です。
※月へんの漢字は過去に2つ記事にしています。
朧が名前に使えない理由
朧が名前に使えない理由は明確です。
朧は、常用漢字でも人名用漢字でもないからです!
現在の日本では、常用漢字か人名用漢字に登録されていない漢字は名前に使用することができないからです。
常用漢字表と人名用漢字表に掲げられた漢字は,いずれも子の名に使用することができます。
子の名に使える漢字|法務省
ご覧のように法務省のサイトに、上記のように記載されています。
このサイトにある「常用漢字表」「人名用漢字表」で「朧」を検索しても該当する文字はないので、名前に使えないということになります。
たまたまサイトを巡っていた中で、「朧」が使えないので「月龍」で「おぼろ」という名前にするといった人がいましたが、典型的なキラキラネームです!
現在は、受け付けてもらえませんね。
朧を使った名字
最後に、「朧」を使った名字があるか確認します。
一文字の「朧」さん、いらっしゃるのでしょうか?
【名字】朧
【読み】おぼろ
【全国順位】 61,298位
【全国人数】 およそ20人
なんと、いらっしゃいました。
名前はダメだけど、名字ならOK、全国で約20名しかおられないのですね。
広島県と京都府にいらっしゃいます。
朧に他の漢字をつけた名字についても確認しました(朧を含む名字|なまえさあち)。
4つの名字がありました。
そのうち、朧氣さんは調査中でしたが、他の三つの名字(朧毛、朧気、朧谷)は調査済で、ご覧のような順位と人数でした。
朧の読みは、全ての名字で「おぼろ」で、存在する苗字の全国人数は約10~20名でした。
最後に
「月へんに龍」と書く漢字は「朧(おぼろ)」と読みます。
これは、はっきりしない様子やぼんやりとかすんで見える情景を表す言葉で、特に「朧月(おぼろづき)」のように春の夜の幻想的な月を指すことが多いです。
しかし、この美しい漢字は日本の戸籍上の名前には使用できません。
その理由は、「朧」が常用漢字でも人名用漢字でもないため、法的に認められていないからです。
また、「はっきりしない」「曖昧」といった意味が、人名として適さないと考えられている可能性もあります。
この記事を通じて、「朧」という漢字の読み方や意味、そして名前に使えない理由を詳しく紹介しました。
その独特な美しさと奥深さを、ぜひ覚えておいてください。
参考
上級漢和辞典 漢字源 学研
新明解語源辞典
※「その他の漢字」も大所帯になってきました
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