寧は名前に良くない?そんな6つの噂を一覧にして寸評を下してみた

名前に使う漢字を考えるとき、「この字は良くない」なんて噂を耳にすることがあります。

その中でも「寧」は、ときどき名前に不向きだと言われることがあるようです。
しかし、本当にそうなのでしょうか?

たとえば、「寧は画数が多くて書きにくい」「読み方が難しい」など、さまざまな意見があります。
でも、少し考えてみると、これらの主張には必ずしも納得できない部分もあります。

漢字の本来の意味や使われ方を無視して、一部のイメージだけで判断していないでしょうか?

そこで今回は、「寧は名前に良くない」とされる噂を一つずつピックアップし、それぞれに寸評を加えて検証していきます。

果たしてこれらの噂は本当に信じるべきものなのか、それとも単なる思い込みなのか?
さっそく見ていきましょう。

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寧という漢字の意味と由来

最初に、寧という漢字の基本情報をお届けします。

画数14画
音読みネイ
訓読みやす・らか むし・ろ なん・ぞ いず・くんぞ
主な意味①やす・らか。じっと落ち着いている。じっくりと丁寧な
②やす・んずる。落ち着けて静かにさせる。安心させる
③姓の一つ
④むし・ろ。どちらかといえば
⑤なん・ぞ。いず・くんぞ
名付けさだ、しず、やす、やすし

画数は14画と、やや多めの漢字と言えるかもしれません。

音読みは「ネイ」で、訓読みは上記の4つの読みがあります。

  • ①の意味では「安寧(あんねい):世の中が穏やかで平和なこと。安泰」という言葉があります。
  • ②の意味では「帰寧(きねい):嫁いだ娘が里の親を見舞うこと。里帰り」なんて言葉があります。

寧は、安らかで穏やかなイメージを持つ漢字ですね。

漢字の成り立ち

寧の旧字は「四」の部分が「皿」となっています。

寧の旧字=「寍(ネイ・心が安らぐ)」+「丂(息が分かれ出る)」

「寍」=「宀(いえ)」+「心(こころ)」+「皿(さら)」で構成されており、家の中に食べ物があって心が安らぐ意味を表します。

また、「丂」は息が分散して出ることを示します。

ここから、寧は「心が安らいで一息つく」イメージを持つのです。

寧に対する否定的な意見とは

既にみてきたとおり、寧は悪い意味はなく、むしろ、名付けに向く漢字だということが分かりました。
しかし、人間界では、このような漢字に対しても否定的な意見が出されます。

そんな噂を一覧にまとめてみました。

寧に対する否定的な意見60爺の寸評
「寧」は余り見かけない漢字なので意味が曖昧だから単なる個人の意見でしかありません
「寧」は読みにくく覚えにくいから単なる個人の意見でしかありません
「寧」は書きにくい漢字なので単なる個人の意見でしかありません
「寧」は名前のイメージとの不一致が起こりそうだから一概に「不一致が起こる」と断定するのは不適切です
「寧」はキラキラネームになりそうだからキラキラネームは特定の漢字によるものではありません
「寧」はうかんむりなので「蓋」をする意味合いがあるので全くの思い込みで、一方的に自分の意見を述べているだけです

いやいや、予想にたがわず、6つの否定的意見が出ましたね。
寸評に書いたとおり、どうも勘違いや、自分の意見を声高に言っているだけのような気がしますが……。
それでは、それぞれの意見に対して、もう少し、細かく見ていきましょう。

「寧」は余り見かけない漢字なので意味が曖昧だから

これは、一理あるように見えて、単なる個人の意見ですね。

「寧」は「安寧(平和・静けさ)」や「丁寧(礼儀正しさ)」などの熟語に使われ、日本語として確立された意味を持つ漢字です。

加えて、古典文学や漢詩にも登場し、長い歴史の中で明確な意味を築いてきました。

見かける頻度が少ないことと、意味が不明瞭であることは別の問題です。

「寧」は決して意味が曖昧な漢字ではなく、適切に理解すれば名前にふさわしい漢字であると言えます。

「寧」は読みにくく覚えにくいから

こちらも、一理あるように見えて、単なる個人の意見ですね。

確かに日常で頻繁に目にする漢字ではないかもしれませんが、上述した「丁寧」「安寧」などの熟語に使われており、決して馴染みのない文字ではありません。

また、名前に使われる他の難読漢字と比べれば、「ねい」「やす」など読みも限られており、極端に読みにくいとは言えません。

覚えにくさは一時的なものであり、意味や人柄と結びつけることでむしろ親しみが深まります。

「寧」は書きにくい漢字なので

書きにくいと感じるのも、その方の個人的な意見に相当します。

確かに画数は多めですが、特別に難しい構造ではなく、練習すれば十分に習得可能な漢字です。

実際、名前に使われる「薫」「響」「耀」などの漢字も画数が多いですが、美しく響きの良い名前として広く用いられています。

名前には意味の美しさや願いが込められるため、書きやすさだけで判断するのは短絡的です。

「寧」は名前のイメージとの不一致がおこりそうだから

「寧」は、何度も述べた「安寧」や「丁寧」があるように、落ち着きや誠実さを表す漢字です。

名前として用いる場合も、穏やかで品格のある人を願う意味を込めることができます。

また、名前のイメージは個人の価値観や文化によって異なり、一概に「不一致が起こる」と断定するのは不適切です。

「寧」はキラキラネームになりそうだから

キラキラネームは漢字に対する読みを無視して、新たな読み方を親が作ることで生まれます。

その意味では、「寧」に限らず、どんな漢字でも起こりえます。

ですから「寧々(ねね)」「彩寧(あやね)」など、漢字の読みに準じれば全く問題ありません。

「寧」はうかんむりなので「蓋」をする意味合いがあるので

この意見は、全くの思い込みで、一方的に自分の意見を述べているだけのものです。

確かに「うかんむり」は建物や覆いを示すことがありますが、逆に、「守る」「保つ」といった良い意味にもつながります。

例えば、「安」や「宇」も「うかんむり」を含みますが、「安心」「宇宙」など、肯定的な意味で広く使われています。

「うかんむり」=「蓋」でひとまとめにしてバツとするのは考え方からして間違っているのではないでしょうか。

※「名前 良くない」で複数の記事を書いています。いくつかを紹介します。

寧を名前に付けよう

「寧」という漢字は、名前に使うと落ち着きや品のある印象を与える一文字です。

名前に使われる「寧」の印象

「安寧」「丁寧」「泰寧」などの言葉に見られるように、「静けさ」「穏やかさ」「礼儀正しさ」といった意味が込められており、柔らかく知的なイメージを想起させます。

男女問わず使える柔軟さがあり、とくに「○寧」や「寧○」のような名づけでは、珍しさと上品さがバランスよく調和しています。

一部では「読みにくい」「画数が多い」といった意見もありますが、それ以上に意味が美しく、個性や深みを感じさせる魅力があります。

また、現代では「人と違う、けれど伝わりやすい名前」が好まれる傾向にあり、「寧」はまさにその条件を満たす漢字の一つです。

名付けについて

「寧」という漢字のイメージは、上述したように「安らかで穏やか」というものです。

これも何度も出していますが、「安寧」「丁寧」などの言葉にあるように、安らかで落ち着いている感じや温かさを感じます。

名前に使う場合、「温和な人」「周りの人を和ませる人」という印象になるでしょう。

「ね」と読む、その響きにも優しさが感じられるのではないでしょうか。

次に、「寧」にはどんな願い・思いが込められるでしょうか。
「寧」には、穏やかで温かいイメージを持つ感じなので、下記のような願い・思いを込められます。

  • 穏やかな性格を持った人になってほしい
  • ぬくもりがある人に育ってほしい
  • 平和で穏やかな人生を歩んでほしい
  • 周囲の人を和ませられるような人になってほしい

名前のランキングに見てみましたが、過去に「寧々(ねね)」がランキング入りしていました。

2015年100位、2010年76位、2009年74位、2008年99位、2007年55位ですね。

さて、どんな名前が付けられるかを最後に見ておきます。

  • 男の子:寧央(ねお)、寧彦(やすひこ)、寧之(やすゆき)
  • 女の子:寧々(ねね)、彩寧(あやね)、桃寧(ももね)

男の子では、読みが、「ね」×1、「やす」×2、女の子は「ね」×3でした。

名前に「寧」のある有名人

名前に「寧」のある有名人です。

有名人読み職業
伊藤寧々いとうねねグラビアアイドル、女優
大塚寧々おおつかねね女優
金井寧々かないねね女優
河原寧々かわはらねね女優
藤谷寧々ふじたにねねミュージシャン
水谷寧央みずたにねお女優
佐渡寧子さどさすこ女優(劇団四季)
脇田寧人わきたやすひとお笑い芸人

さすがに女性が多く、男性は、最後の「脇田寧人」さんしかいませんでした。

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最後に

「寧は名前に良くない」とされる噂を検証してみると、その多くが根拠に乏しかったり、一面的な解釈に基づいていたりすることが分かりました。

たとえば「書きにくい」「読みにくい」といった意見は、他の難読漢字の名前と比べても特別な問題とは言えません。

むしろ「寧」は「安寧」「丁寧」など、落ち着きや誠実さを象徴する良い意味を持つ漢字です。

名前を決める際は、単なる噂に流されるのではなく、その文字が持つ本来の意味や響きを大切にすることが重要です。

「寧」は決して名前にふさわしくない漢字ではなく、むしろ品格や願いを込めるのに適した一文字と言えるでしょう。

※気づけば「この漢字は名前に良くないのか」の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら