将棋ヒューリック杯棋聖戦の序列と賞金及び方式と永世位について
1962年に開始された将棋のタイトル戦です。前身の棋戦は早指し王位決定戦です。
初代棋聖は、大山康晴が塚田正夫を3-1で下し、タイトルを獲得しています。その後、七連覇しています。
この棋聖戦ですが、タイトル戦には珍しく、1994年の65期まで年2回春・秋にタイトル戦がありました。
タイトルの序列は将棋八大タイトルの第八位となります。
主催は産業経済新聞社です。2018年4月からはヒューリック株式会社が特別協賛に入り、正式名称をヒューリック杯棋聖戦と称しています。
参加棋士と賞金
参加棋士
参加棋士ですが、日本将棋連盟の棋聖戦棋戦概要を見ると、参加棋士は女流棋士二名と全棋士です。
賞金
賞金ですが、残念ながら公開されていません。そこで・・・。
ようやく、自分なりの将棋八大タイトルの賞金額一覧を作成しました。
やっぱり、タイトル戦ですし、序列が8位とは言え1,000万円以下はないと考えました。
賞金額は1,100万円です!
根拠は次の記事です!
この数字と、タイトルの序列(賞金でランク付けされていると言われています)から、王位が2,000万円、王座が1,400万円、王将が1,200万円と当たりをつけました。そうなると、必然的に棋王は1,300万円になりますね。
引用 将棋八大タイトルの賞金額はいくら?各サイトをめぐってとりまとめた
王将より序列が下の棋聖を1,100万円とすれば、先程の文春の記事であった「王位+叡王+棋聖=4,600万円」から叡王が1,500万円となります。
詳細は、次の記事を参照してください。
棋聖戦の方式
それでは、ヒューリック杯棋聖戦の挑戦者になるまでの方式を説明します。
どのタイトル戦もそうですが、予選と本戦があります。そして、この予選及び本戦に各棋戦の特色があるのです。
以下の図をご覧ください。
棋聖戦の予選は、一次予選と二次予選があります。
そして、本選として、二次予選の突破者とシード棋士が決勝トーナメントで挑戦権を争います。
決勝トーナメントの優勝者が挑戦者となって棋聖と五番勝負を行います。
一次予選
一次予選は、シード者以外の順位戦C級1組以下の棋士と、女流棋士2人によりトーナメント形式で行われます。8人が二次予選に進みます。
なお、シード者以外の順位戦C級1組以下の棋士であっても、前期の戦績によっては二次予選からの出場となる場合があります(棋聖戦五番勝負出場経験者、前期決勝トーナメント進出者は、C級1組以下であっても二次予選からの出場となります)。
一次予選を突破するには、三勝ないしは四勝が必要です。90期の一次予選には、109名の 棋士が八つの椅子を争いました。
持ち時間は1時間(チェスクロック使用)です。
二次予選
二次予選は、一次予選の勝ち抜き者8人と、シード者以外の棋士によりトーナメント形式で行われます。81期よりシード人数が変動することになり、勝ち抜け枠は毎年変動するようになりました。
90期は、47名の1次予選免除者と一次予選突破者の八名の55名が8つの決勝トーナメントの切符を目指して戦っています。二勝ないしは三勝で決勝トーナメント進出です。
持ち時間は3時間です。
決勝トーナメント
さて、決勝トーナメントは、16名の棋士が争い、優勝者が棋聖戦五番勝負の挑戦者となります。
棋聖戦は、一次予選、二次予選、そして、決勝トーナメントと、全てがトーナメント戦ですので一発勝負です。即ち、挑戦者になるまで一番も負けられないのです。
シード棋士であれば、決勝トーナメントからの出場ですので四番勝つだけで挑戦者になれますが、一次予選からだと最低でも九連勝が必要です。
運が悪いと、11連勝しなければ挑戦者になれません。しかし逆に言えば、棋士であれば、11連勝すればタイトル挑戦者になれるのです。
なお、棋聖戦の決勝トーナメントのシード棋士は、92期からは、前期挑戦者決定トーナメントベスト4以上(前期棋聖が敗れた場合を含む)、タイトル保持者となりました(91期までは永世棋聖資格者(現役では羽生善治、佐藤康光)が入っていました)。
第89期は、タイトル保持者が二名(今年は、久保王将、渡辺棋王) 、永世棋聖資格者の佐藤九段を含めて7名でした。
持ち時間は4時間です。
五番勝負
棋聖保持者と挑戦者が、例年6月から8月にかけて五番勝負を行い、先に三番勝った棋士が棋聖になります。
棋聖戦は1日制で実施されます。棋王戦、王座戦、叡王戦と同様です。
持ち時間は4時間です。
2020年、17歳の藤井聡太七段が、一次予選(3連勝)、二次予選(3連勝)、決勝トーナメント(4連勝)と勝ち上がり、五番勝負を3勝1敗で棋聖位を奪取したことは記憶に新しいです。
ここ10年間のタイトル保持者
この章を終わる前に、ここ10年の棋聖位のタイトル保持者を見ておきましょう。
期 | 西暦 | タイトル保持者 | 防衛/奪取 |
---|---|---|---|
86 | 2015年 | 羽生善治 | 防衛 |
87 | 2016年 | 羽生善治 | 防衛 |
88 | 2017年 | 羽生善治 | 防衛 |
89 | 2018年 | 豊島将之 | 奪取 |
90 | 2019年 | 渡辺明 | 奪取 |
91 | 2020年 | 藤井聡太 | 奪取 |
92 | 2021年 | 藤井聡太 | 防衛 |
93 | 2022年 | 藤井聡太 | 防衛 |
94 | 2023年 | 藤井聡太 | 防衛 |
95 | 2024年 | 藤井聡太 | 防衛・永世位獲得 |
10年前は羽生善治九段が、まだまだ頑張っていたんですな。
89年からは、タイトル保持者が3年連続で変わりました。
そして、2024年第95期棋聖戦で、藤井聡太竜王・名人(七冠)が5年連続防衛を達成し、自身初となる永世位である永世棋聖の資格を獲得しました。
永世棋聖
永世称号である永世棋聖(獲得至難!将棋七大タイトルの永世位の称号名と獲得条件)は、棋聖位を通算5期以上保持した棋士に与えられます。
2019年1月現在、永世棋聖は大山康晴・中原誠・米長邦雄の3名です。また、永世棋聖の資格を持つ棋士は羽生善治・佐藤康光の2名がいます。
基本的に永世位は現役引退後に称するものですが、米長は順位戦フリークラス転出時に現役で永世棋聖を呼称しました。また、中原も60歳になった年度に現役で永世棋聖を呼称しました。
最後に
将棋の八大タイトルの一つである棋聖戦について述べてきました。
参加棋士から始まって、その賞金額、タイトル挑戦までの方式などを紹介しました。
順位戦階にいる棋士は、一次予選、二次予選、決勝トーナメントを勝ち抜かねばなりません。
ここ10年のタイトル保持者の中で圧巻なのは、あの藤井聡太八冠ですね。2024年には、初の永世位である永世棋聖を獲得するかもしれません。
■思えば、将棋の記事も増えてきましたね!
参考サイト
棋聖戦 (将棋)|ウィキペディア
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