将棋棋王戦とは?その仕組みと賞金及び持ち時間や永世位について紹介

2018年9月10日

棋王戦は、将棋の八大タイトル戦(将棋の八大タイトル その名称と序列、番勝負について解説する)のひとつで、ランクは、竜王戦、名人戦、王位戦、叡王戦、王座戦に次ぐ第六位(2022年度)です。

1974年に一般棋戦として創設され、翌1975年(1期)にタイトル戦に格上げされました。前身は最強者決定戦です。五番勝負の勝者は棋王のタイトル称号を得ます。

棋戦概要を見ると、参加棋士は全棋士と女流名人、アマ名人で行われます。

持ち時間は、五番勝負を含む全ての対局で各4時間(1日制)です。

例年、2月から3月にかけて棋王と挑戦者が五番勝負を行い、勝者が棋王のタイトル称号を得ることになります。

2021年、コナミホールディングスが特別協賛、大塚製薬が協賛を発表しました。これにより、第48期は棋戦表記が「棋王戦コナミグループ杯」となっています。

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棋王戦の挑戦までの道のり

将棋世界2月号106項 抜粋

次の図に示すように、挑戦者が決まるまでに予選、挑戦者決定トーナメント、敗者復活戦、挑戦者決定戦を行います。

挑戦者は棋王と五番勝負を戦い、先に3勝した棋士が新たな棋王となります。

この棋王戦では、敗者復活戦があるのが特徴ですね。挑戦者決定トーナメントでベスト4に進むと2敗失格システムに切替わるんです。

挑戦者決定戦は、挑戦者決定トーナメントの勝ち上がり棋士は1勝、敗者復活戦の勝ち上がり棋士は2勝すれば挑戦権獲得です。


予選

シード者以外の順位戦B級2組以下の棋士と、女流名人、アマ名人が参加します。トーナメント方式で予選通過者を決定します。

予選通過枠は8名です。

なお、女流名人が奨励会員の場合、他のタイトルホルダーから選出されます。

挑戦者決定トーナメント

予選通過者8名とシード者の計30人余でトーナメントを行い優勝者を決めます。

シード者は、前期挑戦者決定トーナメントベスト4以上(前期棋王が敗れた場合を含む)、タイトル保持者、永世称号者及び順位戦B級1組以上の棋士です。

前期ベスト4の棋士は3回戦から登場します。

なお、棋王戦特有のシステムとして、挑戦者決定トーナメントでベスト4即ち準決勝に進出すると2敗失格制となり、準決勝及び決勝での敗退者は、敗者復活戦に回ります。

敗者復活戦

挑戦者決定トーナメント準決勝で敗れた二名の棋士が戦い、勝者が挑戦者決定トーナメント決勝で敗れた棋士と戦います。

この勝者が敗者復活戦優勝者となります。

挑戦者決定戦

挑戦者決定戦は、挑戦者決定トーナメント優勝者と敗者復活戦優勝者で争う変則2番勝負です。

挑戦者決定トーナメント優勝者は、1勝のアドバンテージを持っており、2局のうち1局勝てば挑戦権を得ます。

それに対し、敗者復活戦優勝者は2連勝しないと、挑戦権を獲得することができません。

五番勝負

棋王保持者と挑戦者が、例年2月から3月にかけて五番勝負を行い、先に三番勝った棋士が棋王になります。

五番勝負は全国各地の旅館などで実施されますが、予選などと同じく、東京・大阪の将棋会館が会場となることもあります。

また、第2局は北國新聞社の主催で固定されており、2009年より同紙の本社がある北國新聞会館で対局が行われています。

棋王戦の番勝負は1日で決着がつきます。持ち時間は、最初に述べたように4時間です。

ここ10年のタイトル保持者

ここ10年のタイトル保持者を見ておきます。

年度タイトル保持者防衛/奪取
392013渡辺明防衛
402014渡辺明防衛
412015渡辺明防衛
422016渡辺明防衛
432017渡辺明防衛
442018渡辺明防衛
452019渡辺明防衛
462020渡辺明防衛
472021渡辺明防衛
482022藤井聡太奪取
492023藤井聡太 or 伊藤匠

ここ10年は、渡辺明九段が保持していたんですが、48期に藤井聡太八冠に奪取されました。

巡り合わせとはいえ、いつもタイトルを奪取されていますね。

そうは言っても、42期には連続5年間タイトルを保持して、永世棋王に輝きました。

棋王戦の賞金

残念ながら公開されておりません。

60爺

ようやく、自分なりの将棋八大タイトルの賞金額一覧を作成しました。

やっぱり、タイトル戦ですし、序列が6位とは言え1,000万円以下はないと考えました。

賞金額は1,300万円です!

根拠は次の記事です。

この数字と、タイトルの序列(賞金でランク付けされていると言われています)から、王位が2,000万円、王座が1,400万円、王将が1,200万円と当たりをつけました。そうなると、必然的に棋王は1,300万円になりますね。

引用 将棋八大タイトルの賞金額はいくら?各サイトをめぐってとりまとめた

詳細は、次の記事を参照してください。

永世棋王

永世称号である「永世棋王」の資格は、棋王位を連続5期以上保持した棋士に与えられます。現在、将棋界のタイトルで通算期数で永世位を獲得できないのは棋王のみです。

永世棋王への就位は他のタイトルの永世位と同様、原則として引退後です。

2022年2月現在、永世棋王の資格を持つ棋士は、羽生善治竜王(七冠独占の約1年前となる1995年3月に達成し、羽生にとって初めての永世称号資格でした)と渡辺明棋王の2人のみです(タイトルは2018年8月現在のもの)。

棋王奪取率

60爺が調べてみたんですが、現在の挑戦者決定戦の方式が採用された第18期から昨年の第48期までの挑戦者の動向は以下の通りです。

挑戦者決定トーナメント優勝者が挑戦者となった回数は22回です。うち、1局目で決着のついたのは11回で、1局目に敗れたものの2局目に勝利したのは9回です。挑戦者が棋王となった回数は4回で勝率20.0%しかありません。

敗者復活戦優勝者が挑戦者となった、いわゆる逆転優勝は11回あります。そして、さらに棋王を奪取したのは、5回(第28期丸山、第30期羽生、第32期佐藤康、第34期久保、第48期藤井)あります。勝率は、45.4%と前述の2割強増しです。

以上から、敗者復活戦優勝者で挑戦者になった方が棋王を奪取する可能性が高いです。

最後に

将棋のタイトル戦である棋王戦について、その仕組みと賞金及び持ち時間や永世位について紹介しています。

棋王戦は、タイトルの序列は第6位で、60爺調べの賞金額は1,300万円です。

この棋戦の特色は敗者復活戦があることです。ベスト4まで行くと、2敗失格システムとなり、挑戦者決定トーナメントで優勝した後、敗者復活者と1勝のアドバンテージで対局します。

優勝者は1勝で挑戦権獲得ですが、敗者復活者は2連勝が必要です。ただ、2連勝した挑戦者がタイトルを獲得する確率が高いです。

■思えば、将棋の記事も増えてきましたね!

参考サイト
wiki棋王戦 (将棋)

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺