将棋ALSOK杯王将戦の方式と賞金及び永世位とエピソードの紹介

2018年11月26日

将棋のタイトル戦(将棋の八大タイトル その名称と序列、番勝負について解説する)のひとつで、ランクは、竜王戦、名人戦、王位戦、叡王戦、王座戦、棋王戦に次ぐ第七位(2022年度)です。

1950年に一般棋戦として創設され、翌1951年(1期)にタイトル戦に格上げされました。七番勝負の勝者は王将のタイトル称号を得ます。

スポーツニッポン新聞社及び毎日新聞社主催の棋戦です。

なお、2021年度の第71期は、綜合警備保障が特別協賛に加わり、正式名称をALSOK杯王将戦として開催されています(2019年度の第69期は、外食チェーン「大阪王将」を運営しているイートアンドが特別協賛に加わり、正式名称を大阪王将杯王将戦として開催されました)。

棋戦概要を見ると、参加棋士は全棋士です。

持ち時間は、七番勝負8時間(2日制)、リーグ戦4時間、一次予選、二次予選がそれぞれ3時間です。

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王将戦の方式

挑戦者決定までに一次予選、二次予選をトーナメントで行い、この勝ち上がり者3名とシード棋士4名の七名で総当りの挑戦者決定リーグを行います。

挑戦者決定リーグの優勝者は王将と、例年1月から3月にかけて七番勝負を戦い、先に4勝した棋士が新たな王将となります。

一次予選

シード者と二次予選から出場する棋士を除く、順位戦B級1組以下の棋士によりトーナメント形式で行われます。

予選通過枠は毎年異なりますが、予選枠ごとのトーナメント勝者が二次予選に進みます。

持ち時間は3時間です。

二次予選

こちらも、トーナメント形式で18人(期によって増減があります)から挑戦者決定リーグ進出者3人を選びます。参加者は次の棋士です。

① 前期挑戦者決定リーグ陥落者(3名、二次予選2回戦からの参加)
② タイトル保持者
③ 順位戦A級の棋士
④ 永世称号者
⑤ 一次予選通過者

持ち時間は、一次予選と同様3時間です。

挑戦者決定リーグ

二次予選通過者3名とシード者(前期挑戦者決定リーグ残留者と王将戦敗者)4名の計7名で、総当たりのリーグ戦を行います。

成績最上位者が挑戦者となります。

成績最上位者が複数出た場合は、原則シード順位で上位の2人によるプレーオフが行われます。但し、順位5位が2名と、それ以外の棋士の3名が成績最上位の場合、その3名でプレーオフが行われます。

成績上位者4名が、次年度の王将戦の挑戦者決定リーグのシード権を得ます。勝ち星が並んだ場合は、前期挑戦者決定リーグ残留者の順位が優先されます。

二次予選通過者同士で勝ち星が並んでリーグ残留の場合は翌年は同順位となります。4位で並んだ場合は残留者決定プレーオフが行われます。

持ち時間は4時間です。

七番勝負

王将保持者と挑戦者が、例年1月から3月にかけて七番勝負を行い、先に四番勝った棋士が王将位を獲得します。

七番勝負は全国各地の旅館や料亭などで催されます。2012年からは第1局を静岡県掛川市の掛川城(二の丸茶室)で行うことが恒例となっています。

王将戦の番勝負は二日制です。竜王戦、名人戦、王位戦と同じように、封じ手を持って翌日に指し継ぎます。

将棋世界2月号106項 抜粋

持ち時間は8時間です。


王将戦の賞金

残念ながら公開されておりません。

60爺

ようやく、自分なりの将棋八大タイトルの賞金額一覧を作成しました。

やっぱり、タイトル戦ですし、序列が7位とは言え1,000万円以下はないと考えました。

賞金額は1,200万円です!

根拠は、久保利明九段が2017年に王将を獲得した際の年収と前年の年収の差と、棋王戦、棋聖戦の賞金額を鑑みた結果です。

久保利明九段 2016年1,665万円⇒2017年王将獲得3,019万円 差額1,354万円

詳細は、次の記事を参照してください。

ここ10年のタイトル保持者

ここ10年のタイトル保持者を見ておきましょう。

年度タイトル保持者防衛/奪取
642014郷田真隆奪取
652015郷田真隆防衛
662016久保利明奪取
672017久保利明奪取
682018渡辺明防衛
692019渡辺明奪取
702020渡辺明奪取
712021藤井聡太奪取
722022藤井聡太防衛
732023藤井聡太防衛

10年前には郷田正隆九段がタイトルを奪取して保持していました。その後、久保利明九段と懐かしい棋士が並んでいます。

そして、渡辺明九段がタイトルを保持したんですが、又もやストレートで藤井聡太八冠に奪われてしまいました。

永世王将

永世称号である「永世王将」の資格は、王将位を通算10期以上保持した棋士に与えられます。

2021年1月現在、永世王将の棋士は故大山康晴。永世王将の資格を持つ棋士は羽生善治九段しかおりません。

永世王将への就位は他のタイトルの永世位と同様、原則として引退後です。

王将戦のエピソード

王将戦のエピソードで有名なのは、羽生九段(2021/1現在)の七冠制覇に関するものが有名です。

1994年度(第44期)の七番勝負では、羽生善治の七冠独占を谷川浩司がフルセットの末に阻止しました。当時、谷川は七番勝負の途中に阪神・淡路大震災で被災していたのにもかかわらずです。

これで、羽生の七冠は絶望と言われましたが、翌年、何と羽生は六冠を全て防衛し、王将戦リーグでも優勝して、再度、谷川の前に現れました。

そして、1995年度(第45期)は、羽生が4勝0敗ストレートで谷川から王将を奪取し、ついに七冠独占を達成したのです。

最後に

将棋のタイトル戦であるALSOK杯王将戦の方式と賞金及び永世位とエピソードを紹介しました。

本棋戦は、タイトル戦の序列7位で、その賞金額は1,200万円(60爺調べ)でした。

永世王将はタイトル獲得10期と、他棋戦に比べ非常に厳しい条件となっており、今までに羽生九段しか獲得していません。

藤井王将が獲得するのは、ずーっと保持していても2031年まで待たねばなりません。その時は、永世八冠誕生ということになるかもしれません。

■思えば、将棋の記事も増えてきましたね!

参考
 wiki王将

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺