NHK杯将棋トーナメントの方式を紹介、過去の優勝者・賞金など
タイトル戦以外の棋戦の優勝までの道のりを説明していく棋戦の第二弾はNHK杯将棋トーナメントです。
wikiでは、NHK杯テレビ将棋トーナメントとなっていますが、日本将棋連盟の棋戦一覧で は、NHK杯将棋トーナメントになっていますので、この記事では日本将棋連盟に従っています。
本棋戦は、NHK杯将棋トーナメントは日本放送協会(NHK)が主催する将棋の棋戦であり、NHK Eテレで放送されているテレビ番組です。
かつては「NHK杯争奪 将棋トーナメント」と称しましたが、平成の初期に現在の名称になっています。
この棋戦は早指棋戦で、持ち時間は、予選は 20分(使い切ったら、1手30秒未満)で、 本戦は 10分、使い切ったら1手30秒未満です。
但し、秒読みに入ってから1分単位で合計10回の「考慮時間」をそれぞれ使用できることになっています。
参加棋士と賞金
参加棋士
棋戦概要を見ますと、全棋士、女流棋士1人によるトーナメントです。
大会初期は参加者が8名でした。第16回(1966年度)から16名に増え、第27回(1977年度)からは26名になり、第31回(1981年度)から現行の本戦出場50名となっています。
賞金
現在の賞金額は非公表です。
こちらのページに、推定額が500万円と出て います。
方式
予選と本戦から成り立っています。
本選シード棋士
抽選時(前年12月末時点)に次の条件を満たす棋士(31名)は予選が免除され、本戦シードとなる。また、そのうち14名は本戦2回戦シードとなります。シード順は以下の通りです(2018年度現在)。
- 前年度ベスト4(準決勝まで直接対決しないようにトーナメント表が組まれる)
- タイトル保持者(※①)
- 順位戦A級(※②)の棋士
- 永世称号呼称者(※③)・名誉NHK杯選手権者及び順位戦B級1組(※②)の棋士
- 公式棋戦優勝者
- 成績優秀による選抜者
1回戦から登場のシード17名及び女流棋士出場者決定戦(女流予選)通過者1名は、予選通過者18名とそれぞれ対局します。
また、2回戦から登場のシード14名は基本的に上記順位1~3の者が該当します。
なお、シード権保持者の人数によっては調整により、時に順位戦A級棋士の一部が1回戦からの参加になったり、あるいは永世称号棋士・B級1組棋士の一部が2回戦からの参加になったりします。
予選
本戦シード以外の棋士は、東西の将棋会館でトーナメント方式の予選を行い、通過した18名(関東12名、関西6名)が出場します。
女流棋士は前年12月末時点の女流タイトル保持者等で女流棋士出場者決定戦(女流予選)を行い1名が出場します。
女流棋士出場者決定戦の決勝は本戦と同じ対局場で行われ、対局の模様は毎年3月にNHK Eテレで放送されます。
第67回(2017年度)からは、予選出場資格を女流タイトルの挑戦者にも広げるとともに、奨励会員でも予選出場が可能となりました。
本戦
本戦には棋士49名と女流棋士1名の計50名が出場します。
本戦の対局はNHKのテレビスタジオで収録され、その模様が毎年4月から翌年3月にかけて毎週1局ずつ放送されます。
先手・後手の決定は全局振り駒で行います。
歴代優勝者
以下に、過去10年(第63回から72回まで)の優勝者と準優勝者を挙げます。羽生九段は、68回に久々に11回目の優勝を遂げました。
回 | 年度 | 優勝者 | 準優勝者 | 備考 |
---|---|---|---|---|
72回 | 2022年 | 藤井聡太竜王 | 佐々木勇気八段 | 藤井が2022年度一般棋戦※全制覇 |
71回 | 2021年 | 豊島将之九段 | 松尾歩八段 | |
70回 | 2020年 | 稲葉陽八段 | 斎藤慎太郎八段 | |
69回 | 2019年 | 深浦康市九段 | 稲葉陽八段 | |
68回 | 2018年 | 羽生善治九段(11) | 郷田真隆九段 | 羽生が最多優勝記録を11に伸ばす。 |
67回 | 2017年 | 山崎隆之八段(2) | 稲葉陽八段 | |
66回 | 2016年 | 佐藤康光九段(3) | 佐藤和俊六段 | 佐藤が将棋連盟会長としての優勝。 |
65回 | 2015年 | 村山慈明七段 | 千田翔太五段 | |
64回 | 2014年 | 森内俊之九段(3) | 行方尚史八段 | |
63回 | 2013年 | 郷田真隆九段 | 丸山忠久九段 |
※そのほかの一般棋戦について解説済です。
優勝記録
優勝回数
第72回(2022年度)までの最多優勝は、羽生善治九段さすがの11回です。次いで大山康晴が8回、加藤一二三が7回、中原誠が6回優勝しています。
連覇
最高記録は、羽生善治の4連覇(第58回 – 第61回)です。
他に、大山康晴(第4回 – 第5回)、羽生(第47回 – 第48回)、佐藤康光(第56回 – 第57回)が2連覇を記録しています。
最年長・最年少・最低段
最年長優勝は、大山康晴の61歳(第33回)。最年少優勝は、羽生善治の18歳(第38回)。
最低段優勝は、櫛田陽一の四段の優勝(第39回)となっています。
名誉NHK杯
通算10回優勝すると名誉NHK杯選手権者(名誉NHK杯)の称号が贈られます(タイトル戦の永世称号や名誉称号に類似していますが、「原則引退後に名乗る」ものではなく、そのまま名乗ることができます)。
第72回(2022年度)までにこの称号を得たのは羽生善治九段のみです。なお、名誉NHK杯の認定証は、2012年4月8日に放送された『将棋フォーカス』初回放送で授与式が行われました。
名称の「名誉」は、囲碁が永世称号ではなく「名誉称号」を採用していることから、これに合わせる形にしているそうです。
名誉NHK杯の棋士は上述した本戦シードがない場合でも、永世称号呼称者と同等の扱いで本戦シード権を有し、現役を引退するまで予選参加が免除されます。
最後に
NHK杯将棋トーナメントについて、方式、過去の優勝者・賞金などを紹介しています。
現在の参加棋士は、全棋士と女流棋士1人です。女流棋士の出場者決定戦の決勝はの対局の模様は毎年3月にNHK Eテレで放送されます。
本戦には棋士49名と女流棋士1名の計50名が出場し、その対局はNHKのテレビスタジオで収録され、毎年4月から翌年3月にかけて毎週1局ずつ放送されています。
シード棋士なら予選が免除されます。やはり、勝負事なので上位に入ることが重要ですね。
■思えば、将棋の記事も随分と増えてきました
ディスカッション
コメント一覧
今日の解説の宮田さん、解説になってない。見ててしんどくなる。何とかならないのか。
コメントありがとうございます。
NHK+で見てみたんですが、確かに酷い解説というか、解説していませんね。
司会の中村桃子女流初段が可哀そうですね。