将棋マイナビ女子オープンの賞金と方式及びクイーン称号、歴代女王を紹介
2006年度まで行われていた「レディースオープン・トーナメント」を発展拡大し、5つ目の女流タイトル戦として創設されたものです。
毎年4月頃から挑戦手合制の五番勝負が行われます。
- 正式名称:マイナビ女子オープン
- タイトル称号名:女王
優勝賞金は、女流棋戦ではヒューリック杯清麗戦に次ぐ500万円(リコー杯女流王座戦と同額)です。
タイトル称号名は、第1期開幕前に公式サイト内で公募され、1,500通を超える応募の中から決定されました。
方式
予備予選である「チャレンジマッチ」、予選、本戦を行い、女王への挑戦者を決定します。
女王と挑戦者が五番勝負を戦い(第1期は決勝五番勝負)、その勝者が新女王となります。
チャレンジマッチは第4期(2010年)からの実施です。
それまでは、アマチュア選手の出場は、レディースオープン・トーナメントと同様に主催者推薦でした(以下参照)。
- 第1期 アマチュア2名
- 第2期 アマチュア2名、女流育成会員1名
- 第3期 アマチュア3名
チャレンジマッチ
第4期から設けられたプロアマ混合の予備予選の名称です。
アマチュア女性や女性研修会員が参加できるもので、一般募集という形で、より多くの選手に門戸が開かれました。
① システム
2敗失格のトーナメント形式で、一度敗れても敗者復活のチャンスがあります。
予選通過枠は、第10期より9名に設定されているようです。
毎年5~6月に、東京都千代田区にあるマイナビ本社内「マイナビルーム」において、全てを1日で行います。対局は、椅子に着席して行われます。
② 参加者
出場対象者は以下の通りです。4つ目の規定など、なかなか厳しいものではないでしょうか?
- 3級以下の女性奨励会員(チャレンジマッチ開催募集時点)
- 女性研修会員
- 将棋道場、教室、普及指導員等から有段者と認められているアマチュア女性(ただし元女流棋士は出場不可)
- 3期連続で予選1回戦敗退の女流棋士
持ち時間は各15分(チェスクロック使用)で、切れたら1手30秒未満です。チェスクロックは対局者自身が操作します。
予選
① システム
予選はトーナメント形式で行われます。
本戦出場16名のうち本戦シード4名を除く12名の枠を争うトーナメントです。
※第1期の本戦進出は8名であり、また、第2、7、9期は本戦シードが3名のため13名でした。
トーナメント表は、関西の女流棋士を同一ブロックにまとめる方式を取らずに公平に抽選を組みます。予選の全対局もマイナビ本社内「マイナビルーム」での公開対局です。
1日で最大三局行われ、隣の部屋で大盤解説会も行われます。開催時期は、第1期は2007年10月、第2期以降は毎年7-8月に開催されます。
② 参加者
参加者は次の通りです。
- 本戦シード(前期ベスト4)以外で、チャレンジマッチを免除されているすべての現役女流棋士
- 2級以上の女性奨励会員(第4期から)
- チャレンジマッチ通過者(第4期から)
持ち時間は各30分(チェスクロック使用)で、切れたら1手1分未満です。
本選
① システム
予選を勝ち抜いた者と本戦シード者(基本的には前期の番勝負敗退者およびベスト4以上)の計16名のトーナメントです。
※例えタイトル保持者であっても、本戦シードに該当しないものは、予選からの参加となります。これがこの棋戦のひとつの特徴です。
対局は東西の将棋会館で行われます。トーナメントの組み合わせには、一斉予選トーナメントを勝ち上がった女流棋士本人達に、その日のうちに公開でくじ引きで決めています。
9月頃開幕し、翌年の2月の挑戦者決定戦まで1週間に1局ずつ行われます。
優勝者は、挑戦者として女王保持者と5番勝負を実施します。
② 参加者
参加者は次の通りです。
- 本戦シード(前期ベスト4)者
- 予選通過者
持ち時間は各3時間(チェスクロック使用)で、切れたら1手1分未満です。
五番勝負
女王と挑戦者が五番勝負を戦い、その勝者が新たな女王となります。
第4期以降は、神奈川県秦野市の元湯・陣屋で開幕局が行われることが定番となっています。
女流タイトル戦の中で唯一、シリーズを通して和服で対局するのが慣例となっているそうです(例外有)。
持ち時間は本戦と同じく各3時間(チェスクロック使用)で、切れたら1手1分未満です。1日制の番勝負です。
永世女王
女王を連続5期獲得、または、通算7期獲得した女流棋士には、クイーン称号である「永世女王」の称号が与えられます。
2022年6月13日、初の永世女王が誕生しました。
将棋の第15期マイナビ女子オープン五番勝負第5局が13日、東京・渋谷区の将棋会館で指され、後手の西山朋佳女王(26)=白玲=が先手の里見香奈女流四冠(30)=女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=を112手で破り、対戦成績3勝2敗でタイトルを防衛した。西山は5連覇を達成し、同棋戦では初となる「永世女王」の資格を獲得。さらに、規定により女流四段に昇段した。
引用 西山朋佳女王5連覇で初の永世女王「1年間意識していたので素直にうれしい」マイナビ女子オープン
歴代優勝者
歴代優勝者は次の通りです。
第11期で、加藤桃子は防錆していればクイーン称号「永世女王」を獲得できたのですが、西山朋佳に1勝3敗で敗れました。
期 | 年度 | 優勝者 | 奪取・防衛 星取り |
---|---|---|---|
1 | 2008 | 矢内理絵子 | - ○●○○ |
2 | 2009 | 矢内理絵子 | 防衛 ○○○ |
3 | 2010 | 甲斐智美 | 奪取 ○○○ |
4 | 2011 | 上田初美 | 奪取 ○○○ |
5 | 2012 | 上田初美 | 防衛 ○○○ |
6 | 2013 | 里見香奈 | 奪取 ○○○ |
7 | 2014 | 加藤桃子 | 奪取 ○●○○ |
8 | 2015 | 加藤桃子 | 防衛 ○○●○ |
9 | 2016 | 加藤桃子 | 防衛 ○●○○ |
10 | 2017 | 加藤桃子 | 防衛 ○○○ |
11 | 2018 | 西山朋佳 | 奪取 ●○○○ |
12 | 2019 | 西山朋佳 | 防衛 ○○●○ |
13 | 2020 | 西山朋佳 | 防衛 ●○●○○ |
14 | 2021 | 西山朋佳 | 防衛 ●○○●○ |
15 | 2022 | 西山朋佳☆永世女王 | 防衛 ●○●○○ |
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